プロジェクトデザイン研究室
2023/12/20
日建設計PYNT見学
12月12日に日建設計東京オフィスの”共想の場”「PYNT(ピント)」を見学してきました!
「PYNT(ピント)」は、日建設計の東京本社ビルに2023年4月にオープンした革新的な「共創の場」です。日建設計は、東京タワーや東京ドーム、東京スカイツリーなど著名な建築物の設計で知られる日本最大の建築設計事務所であり、PYNTは彼らの東京オフィスのリデザインの一環として開発されました。この場は「つながる」、「学ぶ」、「発信する」をテーマに設計されており、ワークショップやイベントの開催、さらには日建設計の取り組みを展示し紹介する機能も備えています。今回は、見学させていただいた展示について紹介していきます。
XRスタジオは、図面(平面図、立面図、断面図)を1/1スケールまで様々なスケールで投影し、現場にいるかのような体験を提供する革新的な技術です。このスタジオはVRとは異なり、複数の人が同時に体験できる点が特徴ですが、VRを用いての体験も可能です。モデルの作成はRhinoとグラスホッパーを使用して行われます。スタジオ設備は、プロジェクター(レンズ含む1台の値段が約200万)とスクリーン(寸法は約4.5m×2.7m×2.7m)です。効果的な体験のためには、三面それぞれにプロジェクターが必要で、合計3台が要されます。このように、XRスタジオは建築やデザインの分野での視覚化やコラボレーションを大きく進化させる可能性を秘めています。
日建設計が開発したスマートフォンアプリ「Asapp」は、オフィスワーカーのCO2排出量と削減量を可視化し、環境意識を高めることを目的としています。このアプリは、在席状況に応じて人々が在席人数の多いフロアへ移動するよう促し、空調や照明の無駄遣いを防ぎます。ワーカーは、アプリの提案に従うことでエネルギー使用量の削減を達成し、これがCO2削減量として換算されます。また、この行動は社内カフェなどで使用できるポイントに還元され、コミュニケーションの機会をもたらします。
日建設計は2030年に向けての空飛ぶ車の未来について構想しています。ビルの屋上を車の発着場に変え、玄関として活用する案がありますが、上空を飛ぶ乗り物に対する懸念も多いです。公園などの受け入れやすい場所への導入、地方の港に海上発着場を設けるアイデアも提案されています。海上発着場は仮設的で移動可能です。またこのようなアイデアを現実と未来の「Before and After」で提示するプレゼンは、今後自身のプレゼンにも活かせることだと思いました。また手書きのパースを用いることで、より伝わりやすく隙のある表現を目指す工夫がされていました。
「Future Platform」は日建設計によって開発されたWebアプリで、長期的な視野に立って未来を共創するための情報プラットフォームです。このプラットフォームでは、建築業界内外の先端技術や取り組みを多彩な形式で表示することができます。例えば、Time Mapでは時間軸で3D表示され、SDGs Mapでは目標に応じたテクノロジーが表示されます。また、Relation MapやAlphabetical Mapで技術や取り組みの関係性を検証でき、My Project Mapでカスタマイズした情報をブレインストーミングに役立てることが可能です。また直感的でクリックしたくなるようなユーザーインターフェースが特徴で、プロジェクトのまとめにも役立つ機能を備えています。
VRチームは今年度、「建築にデジタル技術をどう活かせるか」をテーマに研究をしています。実際にフォトグラメトリや3Dスキャン技術を用いて、島根県の温泉津で伝統的建築物の改修提案を進めています。
来年度は私たちが学んだ技術を研究室の他のメンバー、最終的に芝浦工業大学の学生が誰でも簡単に使えるような仕組みを作りたいと考えています。
この目的に向けてPYNTで見学した内容を活かしていきたいと思います!
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