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志手研究室
2025/01/14
【表彰】小島瑚子さんが2024年度日本建築学会大会(関東)学術講演会にて、情報システム技術部門 若手優秀発表賞を受賞しました。
2024年8月27日~30日に明治大学駿河台キャンパスで開催された、2024年度日本建築学会大会(関東)学術講演会において、修士課程の小島瑚子さんが情報システム技術部門 若手優秀発表賞を受賞しました。
【受賞者】小島 瑚子(理工学研究科 建築学専攻)
【指導教員】志手一哉教授(建築学科)
【学会名】2024年度日本建築学会大会(関東)
【賞名】情報システム技術部門 若手優秀発表賞
【発表題目】「スマートビルの価値に関する研究 -利用者に対するアンケート分析」
【研究目的】
本研究の目的は、IPA 独立行政法人情報処理推進機構の掲げているスマートビルのユースケースを参考に、スマートビルのコンセプトが建物の利用者であるユーザーに価値があるものであるのかを明らかにすることである。また、ユーザーの視点を踏まえた上で価値のあるスマートビルの具体的な実現手法についての提案を行う。
【研究内容】
本研究では、ユースケースに示されている利用者のメリットの妥当性について建物の利用者を対象としてアンケートを実施し、その結果から建物の利用者がスマートな建物についての期待しているイメージを明らかにした。また、建物の価値に関するアンケート調査も同時に行い、ユーザーにとって価値あるスマートビルの実現手法についての検討を実施した。ユースケースに関しては、建物の価値評価として重要度の高い快適性に関係するものは比較的重要度が高く、そうでないものは重要度が低くなることが示された。例えば、ロボットによる物品の配送等は経営者にとっての省力化でありユーザーにとっては利益になるものではないと推測できる。つまり、現状のユースケースはユーザーに利益になる事象やオーナーにとって利益になる事象などが区別されておらず、誰に向けた価値の創出であるかが明確でないことが課題であるといえる。また、スマートビルの実現手法として、重要度が高い評価項目から検討を行なった結果、「快適性」、「安全性」、「耐用性」の観点からのサービスが期待されると考察した。このとこより、快適性に関するスマートビルの手法としては室内環境のセンシングやデータ解析による室温や湿度、騒音レベルなどの評価、最適な快適な環境にするための回答を表すシステムの導入などを検討した。
【今後の展望】
・スマートビルが誰に向けた価値の創出であるかを明らかにすること
・ニーズを網羅的にリスト化するような調査
・オーナーなどの別の立場の視点からの考察
・手法の実現性、それに伴う課題と解決策、費用対効果の評価