建築・都市環境整備計画とは
環境設備計画とは、健康で快適な室内環境および建築環境をより少ないエネルギーで実現する技術や計画手法を研究する分野です。その中で、建築・都市環境設備計画は、建築単体にとどまらず、建築を含む街や都市をフィールドに環境計画や設備計画について研究する分野です。21世紀、都市の持続可能性が問われる時代において、エネルギーや環境の観点から、新しい都市づくりや街づくりとして注目される、「グリーンシティ」や「グリーンコミュニティ」を実現する環境設備の技術や計画手法を研究しています。
 
研究フィールドの特徴
環境設備計画とは、健康で快適な室内環境および建築環境をより少ないエネルギーで実現する技術や計画手法を研究する分野です。その中で、建築・都市環境設備計画は、建築単体にとどまらず、建築を含む街や都市をフィールドに環境計画や設備計画について研究する分野です。21世紀、都市の持続可能性が問われる時代において、エネルギーや環境の観点から、新しい都市づくりや街づくりとして注目される、「グリーンシティ」や「グリーンコミュニティ」を実現する環境設備の技術や計画手法を研究しています。


図1 環境設備計画のフィールド
 
研究コンセプトの特徴/High-growth, Low-carbon city&community
・研究コンセプト
 
   【21世紀の都市 都市システムの3層構造への転換】 

20世紀の都市のシステム構造は2層構造(図1左側)であり、巨大な「公的装置」に、「私的装置」が依存する関係です。建築・都市分野を例にすると、上下水道、電力、都市ガスなどの公的装置に、住宅や建物などの私的装置はそれに依存する形で機能しています。
これに対して、21世紀の都市のシステム構造は3層構造(図1右側)に転換していくと考えます。これは、私的装置が「共的装置」を形成し、公的装置と補完・連携する関係です。建築・都市分野を例にすると、地区内の複数の建物が熱源設備を共用(シェア)する地域熱供給システムがあります。平常時には、建物のエネルギー効率の向上に寄与し、災害時には、地区のエネルギー自給力に貢献します。スマートコミュニティも「共的装置」の象徴といえます。また、人間社会を本来支えるコミュニティ(ネイバーフッド)も共的装置です。


図1 都市の3層システム構造への転換のイメージ


図2 都市の3層システム構造への転換のイメー(エネルギーシステムのケース)


    【大都市のエネルギーシステムデザイン】

大都市には、生活や経済を支える都市機能が集積する地区(街)が多く存在します。都市機能集積地区では、平常時のエネルギー効率向上と災害時のエネルギー自給力向上が、街の価値向上につながります。したがって、大都市のエネルギーシステムデザインは、街の価値向上に不可欠です。また、都市機能を支える都市インフラ(下水道、廃棄物など)は未利用エネルギーを有しており、それらを上手く活用することも重要です。


図3 大都市のエネルギーシステムデザインのイメージ


    【地方都市のエネルギーシステムデザイン】

地方都市の共通の課題は、地域社会や地域経済の活性化です。現在、地方都市では、地域内で得られる地産エネルギー(ごみ焼却場、太陽光、風力、小水力、バイオマスなど)を活用することで、エネルギーコストを地域内循環させる施策が取り組まれている。これは、米国のジェイン・ジェイコブズ(Jane Jacobs)が提唱した「輸入置換」に通じるものです。地方都市のエネルギーシステムデザインでは、省エネ・省CO2のみならず、地域の活性化の観点が不可欠です。


図4 地方都市のエネルギーシステムデザインのイメージ