伊藤研究室

2018/09/30

ポーランド日記

 

 サザエさんシンドローム、こんな休日最後の嫌悪感を秀逸に表した言葉がほかに存在しているでしょうか。そんな日曜日にはしっぽりウイスキーを飲みながら、ショパンの代表曲夜想曲第二番なんかをかけ、ショパンの名言『彼は何千人もの人に聴かせるように弾くが、私はただ一人の人に聴かせるために弾く。』を思い出してみたりもしまして、優雅な時間を過ごしながら孤独に浸りたいものです。途切れの無い滑らかな音色はより一層お酒のまわりを早まらせるでしょう。そして、すっかりショパンの音色に染まった底の無い部屋にゆっくりと堕ちていくのです。

 この夏、我々伊藤研もショパンにいざなわれ、ショパンの故郷ポーランドにでかけました。そこで体験、見聞したことをここに書き連ねておきたいと思います。しかし、文学的な教養がなく稚拙な文章であるかもしれませんが、好きなお酒とショパンのうっとりさせてくれる曲で聴き流していただければと思います。

 

おばあちゃん

 昼頃、ワルシャワ・ショパン空港に到着して(ショパンが生まれたことへの誇りが強すぎてか知りませんが空港の名前にまでショパンを入れてゴロが悪くなっているわけでありますが)ホテルに向かうのです。ちなみに、今回の合宿はツアーではなく、航空券とホテル以外は自分で手配しなければならないのです。つまり、下調べしていない人は、下調べを綿密にした幹事頼みなわけです。慣れない土地の移動はタクシーが常套手段ではありますが、我々学生にとっては贅沢な交通手段なのです。そこで、ホテルまではバスを使うことになったのですが、バスに乗るチケットを販売機で買わなければいけません。しかし、チケットの種類といいますか、購入する際の選択肢が多すぎてどれを選択するべきかわからないのです。こんなにたくさんの選択肢を背負うことは生涯通してこれが最初で最後でしょう。ショパンの音色が頭に流れているはずもなく困惑しておりましたら、現地のおばあちゃんらしき人が話しかけてきてくれたのです。もちろん話している言語はわかりませんが、発声することに安心するのか、お互いがお互いの国の言語を発しながら、おばあちゃんが販売機を操ってくれたのです。言語、文化が違えど、困ったときは助けてくれるのが人間だとうれしく思いました。しかし、様子がおかしいのです。おばあちゃんが我々の意向を考慮せずに操作をどんどん進めていくのです。言語、文化が違っても、我々の意志が反映されていないことはわかってしまうのだと、疑念を抱くのだと残念な気持ちになりました。どうやらおばあちゃんは操作していた我々を差し置いて、自分のチケットを買っているらしいのです。うれしく思った気持ちが行き先を失ってもやもやしていました。挙句の果てには、クレジットカードの差し込み口を教えてあげる始末です。言語、文化が違っても、年齢には勝てないのです。

 降車するバス停を間違えたりしましたが、なんやかんやでホテルに無事到着したわけであります。 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  つづきはまたの更新までしばしお待ちを