見学 小柏研究室
2026/02/06
旧有備館(宮城県大崎市・国指定史跡及び名勝)見学
文責:藏重直輝(学部4年)
旧有備館及び庭園の概要
有備館建設:延宝5年(1677)
庭園建設:正徳5年(1715)
構造形式:木造
庭園形式:回遊式庭園
所在:宮城県大崎市岩出山字上川原町6
有備館は、仙台藩岩出山伊達家が開設した学問所である。
2011年の東日本大震災では主屋が倒壊する被害を受けたが、復旧にあたって、可能な限り旧部材を再利用した。柱・梁などの構造部材をはじめ、長押や欄間等の化粧部材、釘隠し等の金物に至るあらゆる箇所において、再利用材と新規材の併用が行われている。
庭園は、御中島・鶴ヶ島・亀子中島の三島を配した池を中心とする回遊式池泉庭園である。 園内には桜、淀川ツツジ、ヤブツバキ、モミジなどが植栽されており、主屋から眺める風景は四季折々に変化する。なお、1933年には「旧有備館および庭園」として国の史跡及び名勝に指定された。
写真1 有備館全体写真
所見
本建物は東日本大震災の被害を受け、多くの修復痕跡を残す形で再建された。復旧に際しては、補足する新規材に対し既存部材に合わせた古色塗りを施すか否かの検討が行われたが、最終的には古色を施さない方針で竣工している。その結果、古材と新規材のコントラストが顕著となり、室内の格式や統一感という点では、一見して不調和な印象を受けた。一方で、経年変化を経ていない新規材は、寒冷地にある空間に視覚的な温かみをもたらしており、創建当初の空間がどのようなものであったかを想像させる効果も生んでいるといえる。
写真2 内観写真
また庭園に関しては、豪雪地帯特有の積雪により池面が覆われ、特徴である御中島・鶴ヶ島・亀子中島の三島の構成を視覚的に捉えることは困難であった。しかし、こうした積雪による景観の劇的な変化こそが、四季の移ろいが激しい本地域における、本来の景観鑑賞の在り方であるようにも感じられた。
写真3 島の写真
参考文献
「国指定史跡・名勝 旧有備館および庭園」パンフレット
2025/03/29
2025/03/27
2024/03/25
2023/03/22
2023/03/22
2023/01/08
2022/03/17
2022/02/27

