見学 小柏研究室

2024/04/28

真禅院(岐阜県不破郡垂井町・国指定重要文化財)見学

文責:新村恵太(修士1年)

 

・本地堂

建立:寛永19年(1642年)

構造形式:桁行四間、梁間三間、一重、入母屋造、銅板葺、妻入

 

 

身舎の四周に一間の縁と擬宝珠高欄を廻し、丸柱を長押で固め、中備に蟇股、連子窓や蔀戸など、和様の形式が見られた。木部分は丹塗、木口面や連子窓は緑青塗の色彩を施し、現在のものは塗り直しがされていた。長押と蟇股、隅の組物の肘木のみに繧繝彩色を用い、部分的な彩色の違いも見られた。

内部は正面一間を外陣として、後ろ三間を内陣としており、格天井の彩色は当初のものが残されていた。

 

・三重塔

建立:寛永19年(1642年)

構造形式:方三間、三重、宝形造、本瓦葺

 

 

 本地堂と同時期に建立した三重塔である。各層の四方は、中央間に板戸、脇間に連子窓で、丸柱を内法長押で固め、柱頭部に台輪を設ける。組物は台輪の上に、各層尾垂木付きの三手先である。彩色は、木部が丹塗、連子窓が緑青塗、木口が黄土で、内法長押と台輪と隅の組物の肘木が繧繝彩色である。

 

一層目は両脇間が9枝、中央間が12枝の計30枝,、二層目は8+11+8の計27枝、三層目は7+9+7の計23枝で逓減していた。そのため中備は、初層の各間が蟇股だったのに対して、二、三層目は脇間に中備を設けずに、中央間のみに間斗束を設けており、逓減の工夫を見ることができた。

 

 

参考文献

文化財建造物保存技術協会『重要文化財真禅院本地堂保存修理工事報告書』垂井町: 真禅院 , 2018.12

文化財建造物保存技術協会『重要文化財真禅院三重塔修理工事報告書』重要文化財真禅院三重塔修理委員会 , 1984.12