見学 小柏研究室

2023/03/01

冠稲荷神社本殿(群馬県太田市・市指定)見学

文責 横溝将也(修士1年)

 

 今回は見学会で訪れた冠稲荷神社本殿について紹介します。

冠稲荷神社本殿

 

概要

 冠稲荷神社は群馬県太田市に所在しています。天治2年(1125)に源義国によって創建されたと伝えられ、伏見・豊川・信田・王子・妻恋・田沼と合わせて、日本七社の一つに数えられます。

 社殿は拝殿・幣殿・本殿からなります。拝殿は桁行五間、梁間三間で背面に桁行二間、梁間一間の幣殿が接続しています。本殿は幣殿よりやや後方に位置し、三間社流造で正面に千鳥破風、軒唐破風付きです。本殿の特徴として、木鼻、蛙股や大羽目などに極彩色で飾る彫刻が挙げられます。

 

所見

 大羽目彫刻は、虎渓三笑や琴棋書画、商山四皓といった社寺建築にもよく用いられる中国画題をモチーフとしていた。人物の描写が巧みで彫り師の技術の高さを感じた。

東面大羽目彫刻

 

 頭貫木鼻は、通常唐獅子や獏、龍が一般的だが、唐獅子の他に山羊や狐が見られた。山羊について理由はわからないが、狐は祭神である稲荷神の神使とされているためだと考えられるが、あまり見かけることのないモチーフであったため、興味深かった。山羊や狐は、かなり厚みのある丸彫りであると感じた。また、本殿側面の頭貫木鼻の唐獅子は、上から飛び降りるような構図であり、非常に面白いと感じた。

頭貫木鼻

 

 

参考文献(新規ウィンドウが開きます)

安らぎの宮の森 日本七社 冠稲荷神社 https://kanmuri.com/ka/jinjanituite/goyuisyo(閲覧日2023年2月28日)