見学 小柏研究室

2022/09/22

兼六園(石川県・国指定特別名勝)見学

文責:澤内彩花(学部4年)

 

今回は、後楽園(岡山)偕楽園(水戸)とともに日本三代名園とされている兼六園(石川県金沢市兼六町)についてご紹介します。

 写真は兼六園の中央に位置する霞ヶ池で園内4箇所あるうち最も広いものです。この日は奥に見える内橋亭の掘立て柱からもうかがえるように兼六園の池水位が全体的に低かったように思えます。水路の水が乾き切っている箇所もありました。

 

兼六園の概要

676年(延宝4年)加賀藩前田家5代目から14代までの歴代藩主が180年かけ完成させたもので春夏秋冬それぞれ景色が移り変わります。縁などから眺める座観式ではなく池や築山、御亭、茶屋を点在させ遊覧できる庭園で多彩な樹木や池、滝などがあるのが特徴です。

今回は、根性松の前で集合写真を撮りました。根性松の根は地上に大小40数本、2m程と言われ、これは土を盛り上げて若松を植え土で根を深く覆い、成長後に土をのぞいて作り上げられています。他の植物も規模が大きく迫力や生命力を感じることができました。

 

兼六園の名称由来

兼六園は「兼備が難しい六勝をすべて備えているのが名園」という意味からなっており。 六勝とは景観のことで水泉、眺望、人力、蒼古、宏大、幽邃があります。これらは水泉⇆眺望、人力⇆蒼古、宏大⇆幽邃というように相反した景色を眺めることができます。藩主たちにより、長寿と永劫の繁栄の意が込められています。

 

見学を通じた所見

今回のゼミでは、兼六園の前に21世紀美術館を訪れたので桂坂口からの見学となりました。兼六園は28程の見どころがあるため、観る箇所を絞り進む方向をみんなで話し合いながらさまざまな景色を楽しみました。限られた時間の中で見るには広く、計画的に歩くことが大切でしたがそれだけ広大に立派な庭園が広がっていて飽きることはないので、日常的に季節の移り変わりを感じながら兼六園を散歩できたらいいなと思います。

また今回のゼミ合宿後、兼六園小立野口側にある成巽閣を訪れました。これは、前田家の奥方御殿になります。開放的な縁やそこから眺める庭園、床の間・違棚・書院造り・帳台構えのバランスや障子の腰板などに描かれたもの、天井とひとつひとつに感心させられました。写真の縁側は20mほどありますが柱がないのが特徴のつくしの縁庭園です。10m程ある桔木が7:3(庭側:屋内側)の割合で入っており、梃子の原理で支えられています。

成巽閣つくしの縁庭園

 


参考文献 「文化財指定園 特別名勝 兼六園」http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kenrokuen/