見学 小柏研究室

2022/09/26

金沢ひがし茶屋街(石川県金沢市・重要伝統的建造物群保存地区)見学

文責:辻瑞季(学部4年)

 

石川県には、金沢三茶屋街と呼ばれる「ひがし茶屋街」「にし茶屋街」「主計(かずえ)町茶屋街」があります。今回はこの中で茶屋街としては全国で2番目、京都祇園の次に重要伝統的建造物群保存地区に登録された「ひがし茶屋街」をご紹介します。

 

 

ひがし茶屋街の概要

ひがし茶屋街は、文政3年(1820)に加賀藩の許可によってそれまで規定されていた金沢城下に点在していた茶屋を浅野川の「ひがし」と犀川の「にし」にまとめたことではじまりました。この時に不整形だった町割りが改められ、現在の整形された街区となりました。保存地区内には140の建物があり、その内のおよそ2/3が伝統的建造物となっています。

 

建築的特徴

 加賀藩ではお殿様を見下ろしてはいけないということで、町人の住む地域での二階建ての建設は禁止されていました。しかし、茶屋街は周囲が塀で囲われていたことから特別に二階建ての建設が許可されていました。また、茶屋街の窓には木虫籠(きむすこ)と呼ばれる特殊な格子がはめられていました。この木虫籠は桟の幅を狭くし、断面を台形にすることで、外から中は見えにくいが、内から外は見えやすいという見え方をするものとなっています。

 

 

見学を通しての所見

 全ての建物が二階建てで統一され、きれいではなく美しいという印象を受けました。メインの通りはにぎわっていた一方で、路地は人がおらず静けさが感じられました。立ち寄ったお茶屋さんでは、金沢ならではのモダンな食器を使用していて素敵でした。お店では実際に木虫籠の格子がはめられていたのですが、外から内の様子が全く見られなかった一方で内からはよく外の人通りを見ることができました。それぞれが自由に行動してひがし茶屋街を満喫できたのではないかと思います。

 

 

 

参考文献

金沢を観光してみたいかも 「東の廓からひがし茶屋街へ。 200 年の盛衰の歴史」

https://kanazawa-tourism.net/higashi-chayagai/tradition/

まっぷるトラベルガイド編集部 「金沢茶屋街の歴史~金沢観光に欠かせない 3 つの茶屋街は地方都市に残る伝統的地区~」 https://www.mapple.net/articles/bk/14420/