見学 小柏研究室

2023/12/31

曼殊院門跡(京都府 京都市 左京区・国指定重要文化財、国指定名勝)見学

文責:新村恵太

 

曼殊院門跡(京都府京都市・国指定重要文化財、名勝)

所在:京都市左京区一乗寺竹ノ内町42

 

沿革

延暦年間(728~806)、宗祖伝教大師最澄により、鎮護国家の道場として比叡の地に創建された。御所内公家町に移転し、明暦二年(1656)になり、桂離宮を創始された、八条宮智仁親王の第二皇子良尚法親王が入寺され、現在の地に堂宇を移し造営されたのが今日の曼殊院である。庫裏、大書院、小書院、茶室の八窓軒が国指定重要文化財、庭園が国指定名勝として文化財登録されている。

 

○庫裏(国指定重要文化財)

建立:明暦2年(1656)

構造形式:一重、入母屋造、本瓦葺、正面唐破風、檜皮葺

 

○書院(小書院)(国指定重要文化財)

建立:明暦2年(1656)

構造形式:一重、寄棟造、一部切妻造、杮葺

 

○本堂(大書院)(国指定重要文化財)

建立:明暦2年(1656)

構造形式:一重、寄棟造、杮葺

 

○曼殊院書院庭園(国指定名勝)

作庭年代:江戸初期

庭園形式:枯山水

 

所見

小書院、大書院の前に庭園が設けられており、書院から見ることを想定した庭だった。小書院の高欄の意匠には一風変わったデザインが設けられており、書院内部からの見え方も意識して作ったように感じた。

 

小書院、大書院は、瓢箪型の引手や、欄間、高欄、曼殊院棚など細かな意匠にも気を配った建造物であった。庭園は白砂を基調として鶴島と亀島を主景とした枯山水庭園で、特に鶴島に用いている松は迫力のあるものだった。

亀島は小書院、鶴島は大書院に対応するように配置されており、建造物と庭園の関係性が強く見えた。

 

 

参考文献

曼殊院門跡HP https://www.manshuinmonzeki.jp/history/index.html

京都府教育庁指導部文化財保護課編『重要文化財曼殊院本堂・書院・庫裏修理工事報告書』京都府教育委員会 1997