見学 小柏研究室

2023/08/09

会津武家屋敷(福島県会津若松市)見学

文貢:小坂田裕之(学部四年)

 

概要

幕末期会津藩家老であった西郷頼母の屋敷を再現した家老屋敷や旗本松平軍司朗の代官所を移築復元した旧中畑陣屋、鶴ヶ城にある「嶺南庵麟閣」を再現した茶室等の、復元された歴史的建造物が建ち並ぶ施設となっている。この建物群のなかで旧中畑陣屋は昭和五十一年(1976)に県指定の重要文化財に指定されている。

 

旧中畑陣屋概要

建立:天保年間

構造形式:間口7間、奥行8.5間、木造平屋建、寄棟、茅葺、玄関唐破風付、鍵型

区分:県指定重要文化財(1976)

 

旧中畑陣屋は天保年間、旗本松平軍次郎の代官所として西白河群矢吹町中畑に創建された。明治維新後の陣屋の廃止とともに同地の庄屋であった岡崎本家の長左衛門が譲渡を受け、農家の民家として使用された。その後順次増改築が行われ、昭和五十年(1975)に岡崎家から会津武家屋敷が譲り受け創建当時の原形に近づけた復元移築が行われた。

 

所見

旧中畑陣屋の式台玄関は竿縁天井であり簡素な作りであったように感じられた。また、室内には式台玄関・次の間・書院といった武家風の形態とさす組・勝手土間といった農民住宅の形態を持ち合わせており興味深い室内空間であった。

 

同敷地内にある会津くらしの歴史館では旧中畑陣屋の復元移築の前と後の平面図を見て、どのような形で増改築が行われてきたか見比べることが出来た。式台玄関が茶室に、勝手土間は主人部屋に、建物北側には台所、仕事場、下囲炉裏が増設され、南側にも居室空間が増築されていた。このことからも移築直前には陣屋としての形態をほとんど有しておらず、自分たちの生活に合わせて増改築を行っていた事が想像されるものであった。

 

参考文献

会津武家屋敷HPhttp://bukeyashiki.com/ (閲覧日:2023年8月9日)

会津武家屋敷内の説明看板