国内研究

『工業化構法住宅の生産性向上に関する研究』
本研究は住宅現場の生産性向上を目的とし、住宅メーカーと共同で行う研究で、4年目を迎えています。住宅現場の研究事例は少なく、施工現場には多くの改善の余地があります。そこで、本研究では現場の実態調査を行うことで様々な問題を明らかにし、試行によってそれらの問題の改善を図ります。試行内容は企業との会議で決定し、実際の現場にて実施されます。その調査結果は次年度の試行に反映されます。以上のように、PDCAサイクルで本研究を進めています。

 

『プレカットを用いた木造軸組住宅(四号建築物)の現状に関する研究』
日本の木造の戸建て住宅において構造の安全性が危ぶまれています。これは現在の住宅生産の現場にて、意匠設計と架構設計(伏図の設計)が異なることによる影響だと考えられています。この問題について本研究では、住宅の設計図面をもとに「直下率」やその他評価項目を用いて分析を行っています。「直下率」とは、2階間仕切り線(2階柱)が1階間仕切り線(1階柱)とどれだけ一致しているかを表した割合で、荷重の伝達のしやすさを図る1つの指標となります。この研究では木造軸組住宅の構造や架構の現状を明らかにすることを目的としています。


『熊本地震における木造応急仮設住宅に関する研究』
これまで応急仮設住宅は、軽量鉄骨造が一般的でしたが、2011年3月に発生した東日本大震災時、木造の応急仮設住宅が建設されて以降、木造応急仮設住宅の供給が注目され始めています。本研究では今後の震災発生時により迅速に木造応急仮設住宅を供給するために、2016年4月に発生した熊本地震時に建設された木造応急仮設住宅を対象に、現地に赴き、工程の記録や現場監督・大工にヒアリング調査を行うことで、その供給実態を明らかにすることを目的としています。