見学 小柏研究室
2025/05/12
伊豆山神社(静岡県熱海市)見学
文責:赤塚美希音(学部4年)、石川昂熙(学部4年)
関八州総鎮護伊豆山神社
伊豆山神社概要
所在:静岡県熱海市伊豆山708-1
創建:不明
改築:1936年
本殿:入母屋造、銅板葺、正面向拝唐破風付、正面5間平入、権現造
摂末社: 本宮社, 結明神本社, 白山神社, 雷電社, 結明神社 里宮, 足立権現社, 祖霊社, 走湯神社
図1 伊豆山神社正面(左)、 図2 参道 階段(右)
歴史
伊豆山神社は、静岡県熱海市に鎮座する紀元前5~4年創建という所説もある古社であり、当初は伊豆大権現(いずだいごんげん)、走湯大権現(そうとうだいごんげん)として日金山山頂にあった。
平安時代には修験道の霊場として名を馳せ、源頼朝が源氏の再興を祈願した神社としても有名である。後に鎌倉幕府を樹立した頼朝は、当神社を「関八州総鎮護」と崇め、後の戦国時代には後北条氏、江戸時代には徳川家康も当神社を崇拝した。
伊豆山神社の社殿はかつて、戦国時代に焼き討ちに遭い焼失したが、徳川政権期に再建され、「波の伊八」の彫刻で飾られた。明治には「伊豆山権現」から「伊豆山神社」へ改称し、昭和11年(1936)には彫刻など江戸期社殿を一部再用して本殿や拝殿などが再整備され、現在の朱塗りで豪華な禅宗様の姿となった。
所見
伊豆山神社へ向かうには永井石造りの階段を上る必要があり、苦労したが、登った先の社殿の荘厳さには圧倒された。昭和11年に、江戸期社殿の一部を再利用して建て替えられたこともあり、紀元前からの歴史が感じられるものというよりは、装飾華美な禅宗様の形式が見られた。「波の伊八」が手掛けたという彫刻も、本来「波の伊八」の作品では色が施されたものはあまり見られないが、彩色絵具が残っていたことから彩色の復元が行われ、今も鮮やかさを放っていた。戦国時代での焼失後や昭和など、姿を変えつつも数回の建替えを繰り返していることから、この伊豆山神社が地域にとって重要な意味を持つことを感じた。
参考文献
[1] 関八州総鎮護 伊豆山神社. 関八州総鎮護 伊豆山神社. 2025. https://izusanjinjya.jp/, (閲覧日 2025年04月16日).
[2] 小西美術工藝社.“伊豆山神社”. 小西美術工藝社. https://www.konishi-da.jp/, (閲覧日 2025年04月16日).