見学 小柏研究室

2024/05/03

青岸寺(滋賀県米原市・国指定名勝)見学

文責:胡鐘毓(修士1年)

 

青岸寺(滋賀県米原市 国指定名勝)

所在:滋賀県米原市米原669

 

概要

青岸寺は福井県の永平寺、神奈川県の総持寺を本山とする曹洞宗の寺院である。永正(1504-21)のはじめは兵火で焼失し、天文3年(1534)に復興した。現在の庭園は当時三世興欣和尚が楽々園の作者、香取氏に命じて延宝6年(1678)頃に築かせたものである。明治37年(1904)には、森田悟由禅師により書院「六湛庵」が建立され、その後昭和9年(1934)には、文部省により名勝庭園に指定された。

 

所見

青岸寺庭園

作庭:江戸時代

青岸寺庭園は元々「枯山水回遊式庭園」と言う庭園様式であり、その後「六湛庵」が建立し、次第に機能と様式が変わり、現在は「観賞式」庭園と考えられる。庭園は枯山水だけでなく、白砂の代わりに苔を用いた。石積で三尊石、蓬莱島など多様な景観を作った。また、借景などの造園技法も利用した。

 

書院「六湛庵」 

建立:明治37年(1904)

庭園内の構成物として建立した「六湛庵」は平屋建、桁行五間、梁間二間半、寄棟造桟瓦葺の建築である。東側に8畳の「座敷」、西に「八畳」が並び、南側は「六畳」である。現在、座敷部の「八畳」と「六畳」は拝観、喫茶およびお寺体験などの機能がつき、旧書院部の形態は保留し、また「水屋」などの空間はより機能的な空間に変更された。

 

 

参考文献

青岸寺公式サイト  https://seiganji.org/(2024.4.26閲覧)

京都伝統建築技術協会, 滋賀県文化財保護協会, 米原市教育委員会編『名勝青岸寺庭園保存整備事業報告書 : 名勝庭園及び書院保存修理工事』米原:青岸寺, 2018.3.