見学 小柏研究室
2026/03/16
朝田寺(三重県松阪市・県指定有形文化財)見学
文責:新村恵太(修士2年)
朝田寺本堂(県指定有形文化財)
建立:慶安5年(1652)
構造形式:桁行六間、梁間三間、一重、入母屋造、妻入、向拝一間、本瓦葺
平面は正面二間を外陣、奥二間を内陣、さらに奥二間を内々陣とし、四周に縁を廻す。内々陣は内陣より床を一段高くし、内外陣境は中敷居と格子戸で仕切る密教系本堂の形態をとる。内々陣は安永7年(1778)に建て増しし、その際に床全体を1尺ほど高くしている。
組物は出組とし、実肘木が丸桁を受ける。外陣内部は、出組の三斗で天井桁を受ける。内外陣境の脇間は、側柱上から内外陣柱に虹梁を差し、中央間は脇間より一段高い虹梁を架け、両柱に差す。虹梁の絵様は正円に近く、関東地方では江戸時代初期の様相を呈しているものであり、伊勢周辺の建築文化が早いことを示している。
内外陣境柱は建登せ柱であり、左右に虹梁を差し、正面に差肘木を差す。差肘木上には三斗組を載せて天井桁を受ける。外陣の天井は、中央部分を折り上げた折上格天井で、外陣部分に折上格天井を用いるのは類例が少ない。
朝田寺本堂は、善光寺系の撞木造に見られるような、現存では珍しい妻入りの本堂である。また、正面の梁間が3間に対して、桁行が6間と奥行きが深い点も珍しく、全体として希少性のある本堂といえる。
参考文献
松阪市https://www.city.matsusaka.mie.jp/site/culture-info/chodenji-hondo.html (2026.3.9閲覧)