見学 小柏研究室
2026/03/16
俳聖殿(三重県伊賀市・国指定重要文化財)見学
文責:新村恵太(修士2年)
建立:昭和17年(1942)
構造形式:木造2階建て、宝形造、檜皮葺
設計:島田仙之助 指導:伊東忠太
俳聖殿は松尾芭蕉の生誕300年を記念して、上野城跡に計画整備された。整備の主導は、政治家川崎克で、外観を松尾芭蕉の旅姿を建築に表現したいという構想の下、島田仙之助が設計、伊東忠太が設計指導を行った。
下層は基壇上に八角形の平面を持ち、外周に吹き放ちの庇を付ける。内部はもう一段円形の基壇を設けて、その上に丸柱が建ち、八角形の厨子を設ける。上層は円形平面であり、外周に縁を廻す。
下層の屋根は二軒の扇垂木とし、内部にもあらわしとなる化粧屋根裏となる。上層の屋根は、松尾芭蕉の笠をイメージとして、正面部分を上に吊り上げるような意匠となっている。
柱や繋梁、垂木などは円形断面となっており、丁寧な作りこみがされている。
基壇上に建っている点や、八角円堂を基調としている点、円垂木を用いる点は、古代建築をモチーフとしたことが読み取れるが、上層の屋根を変形させるなど、伝統的な要素を利用した近代的な設計思想が読み取れ、非常に興味深い建築であった。
参考文献
三重県教育委員会『三重県近代和風建築総合調査報告』(三重県教育委員会,2008)