見学 小柏研究室

2025/05/23

中山晋平記念館(静岡県熱海市)見学

文責:川名美月(学部4年)、藏重直輝(学部4年)

 

 

・中山晋平記念館概要

所在:〒413-0032 静岡県熱海市梅園町 熱海梅園内

建築様式:木造2階建て、入母屋造、数寄屋風建築

建築面積  1階延べ床面積:29.63坪 97.98㎡

      2階     :16.65坪 55.07㎡

 

               

・歴史

中山晋平記念館は、作曲家である中山晋平の別荘として、昭和10年(1935)に静岡県熱海市西山町に建てられた。昭和19年(1944)から第二次世界大戦の激化の影響により、東京から別荘のある熱海に疎開し、昭和27年(1952)に亡くなるまで居住した。また、中山晋平が所属していた日本ビクター株式会社から熱海市への寄贈のもと、平成2年(1990)に所在地を熱海梅園内に移し、当時そのままの姿で一般公開している。

 

・概要

2階に上る階段や手すりに使用されている木材には、本来用いられることのない多くの節がある。しかし、中山は木材の節と音楽の節にちなんでこのような節のある木材で階段を建築するように依頼したのである。また、1階、2階の廊下にある欄間の形状は5本線で描く楽譜にちなんで5本の竹格子を使用して作るよう依頼したのである。建築の中にもいくつもの音楽の要素を随所で感じられる特徴的な建築となっている。

 

 

・所見

平面構成は玄関を中心として接待空間と中山の音楽を奏でるプライベート空間が明確に分かれていた。外観は細部にこだわっており、開口部の装飾と意匠にこだわった欄間が綺麗に調和されていた。また、欄間のほかにも意匠性でこだわった階段の節も見ることができ、建築の部分からも中山晋平の音楽向き合っていたことを感じることができた。

その他では、階段下の埋め込み型の収納や歪みのある窓ガラス、中山晋平の使っていたピアノと当時を感じさせる物が多く残されていて、中山晋平の生活や昭和建築の良さが分かる。

 

 

 

参考文献

・熱海市,“中山晋平記念館”,令和6年9月3日, https://www.city.atami.lg.jp/shisetsu/bunka/1002036/1002045.html(参照:2025/04/16)

 ・熱海ロマン紀行,”中山晋平記念館“,https://atamiroman.jp/spot/nakayama/(参照:2025/04/20)