見学 小柏研究室

2025/10/07

磯矢邸(大分県杵築市杵・市指定)見学

文責:松井寛(学部4年)

磯矢邸

 

所在地:大分県杵築市杵築211-1

建立:文化13年(1816)

構造:木造、寄棟、瓦葺

区分:杵築市指定有形文化財(2008)

 

 

江戸時代には武士の邸宅であったが、寛政の大火(1800)後には藩主の休息所「楽寿邸」の一部として利用された。その後再び武家屋敷となり、屋敷として使われていたことが確認されている。かつて休息所としての役割を担っていた名残からか、どの部屋からも座敷に腰を下ろして庭園を望められるように、松竹梅をはじめとした低木を中心に植栽が施されていた。

 

 

増改築を繰りかえしたことも確認されていて、主人の間などの増築された部屋は、ほかの部屋と比較して天井が高いのが印象的であった。休憩所から人が暮らす屋敷に用途が変化したことで、玄関の間や客間などの客人用の部屋より、住人が生活する部屋が優先的に天井が高くなっている(増改築されている)と感じた。

 

 

客間を中心に部屋の細部には、金物の釘隠しや角度によって見え方が異なる木製格子の欄間などさまざまな装飾が施されていた。

休息所と屋敷との両面をうかがえる邸宅であった。庭園を見渡せるように、特に客人の間や主人の間などの庭園に面している部屋では、開口部を広く大きく設けているのが印象的であった。

 

 

 

参考文献

[1] 杵築市役所「磯矢邸/杵築市」 2025.9.4

  (https://www.city.kitsuki.lg.jp/soshiki/7/bunka/bunkazai/bunkazai/1814.html

[2] 別大興産「藩主の休息所として活用された『磯矢邸』」 2025.9.4

   (https://www.betsudaikohsan.co.jp/oita-chintai/oita-area/detail/id_122/)