見学 小柏研究室

2022/11/02

Visit Oyama Shrine (Kanazawa, Ishikawa Prefecture)

文責:齋幹尚(学部4年)

 

・尾山神社

竣工:1873年(明治6年)

所在地:石川県金沢市尾山町11-1

 

・沿革

二代利長公は、利家公を仰ぎ神として祀ろうとしたが、外様大名の立場の前田家は、徳川幕府の許可なくして公然と神社創建に踏み切れなかった。そこで物部八幡宮と榊葉八幡宮を守護神として卯辰山山麓に遷座して卯辰八幡宮とし、利家を合祀した。廃藩置県後に、旧金谷御殿の跡地に現在の社殿を新築する。

 

・概要

神門には、ギヤマンがはめ込まれ、和漢洋折衷様式であり、異国情緒漂う造りとなっている。もとは、御神灯が点灯され、その放つ光は金沢の街を照らし、また、遠くの日本海を航行する船の目印となった。東神門は金沢城で唯一残る桃山風御殿様式の門で、旧金沢城で火災を免れ、昭和38年に境内に移築した。

神苑は、旧金谷御殿の庭園であり、築山池泉回遊式の庭園である。江戸末期に作成されたもので、かつて辰巳用水を引き入れた池には、三つの島と趣向を凝らした橋が配され、書院庭園の面影を色濃く残している。

 

・所見

入口に到着すると、鳥居の奥に神門が見える。鳥居と洋風の神門が立ち並ぶ姿がとても異様に感じられた。この神門が建てられた時期の人々は、見たことないようなつくりに最先端に感じたのだろうか。屋根にある針のようなものがすぐ目に入った。これは避雷針であり、現存するもので日本最古のものと言われている。

 

神門の下まで来てみると石積みに三連アーチが異国を感じられた。神社の入り口としてはとても異質である。階層が上がるごとに小さくなっている。各階の方部分が丸くなっているデザインは、中国の南方にある寺院でみられるようだ。

石積みの骨格は、日本建築の技法で組まれた木造となっている。

古式に則った三間社流造。簡素にして荘厳に満ちた社殿である。本殿に向かって右側面の玉垣は珍しいレンガ造りで、剣梅鉢のご紋すかしとなっている。神門をくぐった先にある本殿に安心感を覚えた。

しかし、玉垣はレンガ積みといった洋風意匠が取り入れられており、尾山神社全体が洋を取り入れた異質な神社であった。金沢で初めてレンガを取り入れた場所であるようだ。

 

参考文献

・加賀之国金沢鎮座 尾山神社 http://www.oyama-jinja.or.jp/about/

・尾山横丁 尾山神社前商店街 https://oyamajinja-mae.com/highlights/

・金沢を中心とした観光情報ブログ たのしみや.コム 2020年5月16日 

 https://www.tanosimiya.com/blog/2020051102/