見学 小柏研究室

2025/02/23

旧野崎家住宅(岡山県倉敷市・重要文化財)見学

文責:吉川駿平(学部4年)

 

概要

竣工:江戸時代天保~嘉永

所在:岡山県倉敷市児島味野一丁目 11 番 19 号

重要文化財指定日:2006/12/19

構造形式:

主屋  居室部 桁行 30.2m、梁間 14.1m、二階建、入母屋造、四面庇付、本瓦葺・桟瓦葺及び鉄板葺、

東面茶室・西面北台所・西面南便所及び湯殿・北面便所附属、東面北門及び塀付

座敷部 桁行 11.1m、梁間 7.0m、南面入母屋造、北面居室部に接続、東面・南面及び西面庇付、

東面便所及び渡廊下附属、西面突出部 桁行 8.0m、梁間 4.9m、入母屋造、本瓦葺及び桟瓦葺、北面西端渡廊下附属

内玄関 桁行 14.2m、梁間 6.0m、一部二階建、入母屋造、西面主屋に接続、四面庇付、本瓦葺

玄関  桁行 8.0m、梁間 5.0m、南面入母屋造、北面内玄関に接続、東面及び西面庇付、本瓦葺、

東面式台玄関附属

表書院 桁行 16.2m、梁間 11.4m、南面入母屋造、北面玄関棟に接続、四面庇付、本瓦葺及び桟瓦葺、

南西隅湯殿及び便所附属、東面北端門及び塀付

 

敷地面積約 3000 坪、建物延床面積 1000 坪近くある民家建築である。長屋門をはじめ、江戸末期に建てられた主屋や土蔵群は国指定重要文化財に指定されている。邸内は,中央に主屋,その前方に玄関棟と表書院が建ち,正面に長屋門と御成門を構え,北に内蔵などの土蔵群が並び建つ。主屋座敷部や表書院は,床・棚・付書院を備えた座敷としている。庭園は枯山水で建物と同じく嘉永年間に作庭された。庭には常緑樹が林立し、茶室を結ぶ露地には三尊石や陰陽石が点在している。

 

所見

 主屋は中座敷から向座敷まで9つの座敷が連続しており、23間の奥行があることから野崎家の大きな財力が伺えた。江戸時代後期の塩田開発で栄えていたことからも敷地には複数の蔵を持つ。外装は白壁となまこ壁で防火・耐久性を確保し、瀬戸内海の気候風土に配慮していることが分かる。表書院には式台玄関が配置されており、貴賓の応接に使われていた場であったと確認できた。また、野崎家背面の石垣は水抜穴を設けないつくりをしていた。

 

 

 

 

 

 

参考文献

国指定文化財等データベース https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/00004147(閲覧日2025/2/14)

旧野崎家住宅 野崎家塩業歴史館 https://www.nozakike.or.jp/(閲覧日2025/2/14)