プロジェクトデザイン研究室

2025/12/02

建築トークイン上越2025 開催!

10月24日〜26日の3日間にわたり、「建築トークイン上越2025」を開催しました。関東圏の大学が協力して企画から広報までを運営する中で、プロジェクトデザイン研究室も運営陣としてイベントに携わりました。

建築トークイン上越とは、新潟県上越市にて毎年開催されるディスカッションイベントで、都市や文化のあり方をテーマに、多方面で活躍する先生方や地域の方々をお迎えし、全国から集まった大学生が議論・検証を行います。今年で17回目を迎えました。

今回のテーマは「多様性」
近年、社会のさまざまな場面で肯定的に用いられるこの言葉ですが、その一方で意味が曖昧になり、時に矛盾や対立を覆い隠してしまう危うさもあります。

ワークショップでは、例年一名の講師による基調講演を行っていますが、今年はテーマにちなみ、参加された15名の先生方それぞれが自身の考える「多様性」について短いレクチャーを行いました。建築家、研究者、実務者といった多様な立場からの発表は、多様性そのものを体現する内容となり、学生たちはそれぞれの視点を比較・考察しながら、自分自身の立場や価値観を見つめ直す契機となりました。

宿舎には、廃校を宿泊体験施設としてリノベーションした「月影の郷」を利用し、初対面の学生や先生方との交流を通して、夜遅くまで熱い議論が交わされました。

最終発表の場では、単なるプレゼンテーションに留まらず、実際に議論形式で発表を行う班も見られました。さらに、「多様性」を言い換える独自の表現を試みた班も多く、「多様性とは鍋である」「サラダボウルである」「生卵に戻る卵である」といったユニークな比喩が生まれ、普段では到達し得ない多様な結論が導かれました。

8大学・約55名の学生が参加した今回のトークインは、異なる考えが交わる中で、「多様性」という言葉に安易に依存するのではなく、他者とどう向き合い、どう関わり合うかを探る実践の場となりました。建築トークイン上越がこれからも、多様な思考と対話を生み出す場として続いていくことを期待しています。

上越