共同研究・助成研究
産学官共同研究および寄附研究(2010年度以降)

企業、自治体などとの共同研究により貴重な研究の機会を得ました。この場をお借りして関係者の皆様に厚く御礼を申し上げます。

2016年度 5件
2015年度 4件
2014年度 4件
2013年度 2件
2012年度 2件
2011年度 3件
2010年度 4件

 

公益財団法人旭硝子財団>>;http://www.af-info.or.jp/

【研究題目】
「コンパクトシティを実現するためのGISを用いた都市のサステイナブルマネジメントシステムに関する研究」
【研究期間】
2008年度~2010年度(3年間)
公益財団法人旭硝子財団>>;http://www.af-info.or.jp/】
研究代表者:村上公哉(芝浦工業大学)
研究メンバー:渡辺浩文(東北工業大学),堀 祐治(富山大学)
【研究概要】
GIS(Geographic Information System;地理情報システム)を用い,環境配慮型都市づくりの計画支援となる都市空間の環境エネルギー情報の把握方法,データベースの構築方法およびそのデータの分析手法を構築した。
1)都市空間構造情報の構築法と分析手法
都市域内の人口・住宅床面積の分布状況を示す居住構造の分析手法を提示し,居住分布が鉄道駅周辺域に集約している都市の方が,自動車起源CO2排出量が少ない傾向があることを明示した。また,建物現況データ(建物用途・延床面積等)を用いて,地域単位のエネルギー消費量の算出に活用できる,地域空間のタイプ分類を明示した。
2)住宅・非住宅建築物のエネルギー・設備情報の構築法と分析手法
民生部門のエネルギー消費情報および設備保有情報の実態調査を行い,消費原単位情報データベースの作成を行った。またこのデータベースを元に,建築物の設備更新,省エネルギー設備の普及促進に伴うエネルギー需要の変化予測手法の作成をおこなった。この予測手法を使うことで,地域のエネルギー供給の適正化および,都市の集約化や建物の省エネルギー化による環境負荷低減の試算を可能とした。
3) 地域単位のエネルギー消費量・CO2排出量と地域エネルギーシステムの導入適正地区空間の分析手法
都市内の建物および地区の省エネ化を図る上で,現状および省エネ等改善後のエネルギー消費量・CO2排出量を推計する手法が求められる。そこで,それが可能となる推計手法を提示するとともに,推計手順に必要になる消費原単位と熱源設備保有データベースの構造を提示し,それらを試作した。また,地域の省エネ・省CO2対策の一つである地域エネルギーシステムの導入効果が高い地域空間タイプをシミュレーション解析から明示した。
4)都市環境気候情報の構築法・分析手法
 夏季の暑熱化の軽減のための緑・風の道・水辺等の自然環境の保全と活用,そして住宅・建物分野の省エネ・省CO2化に資する都市環境気候情報の構築法・分析手法を構築した。都市環境気候情報は地域の気候風土を科学的に理解するためのものであり,風況・気温の分布状況やその背景となる地勢や土地被覆の状況を,GISデータベースとして構築しうることを示した.またそのデータ分析により,夏季暑熱化対策を施すべき重点地域を明示した。

旭硝子財団パネル_総合.pdf

 

公益財団法人セコム科学技術振興財団>>;https://www.secom.co.jp/zaidan/

【研究題目】
「大災害時ターミナル周辺地区および地下街の安全安心対策としてのオフサイトセンターの実証研究」
【研究期間】
2015年度~
【研究概要】
巨大ターミナル駅周辺地区は、重要な都市機能施設が集積するとともに、各種交通機関の駅、地下街や周辺ビルが接続し、日々多数の人々が利用する重要な都市空間である。東日本大震災では、首都圏で交通機関の麻痺により、ターミナル駅周辺地区において多数の帰宅困難者が発生するなど、現在その対策はエリア防災上大きな課題となっている。国も都市再生安全確保計画制度を創設するなど、大規模地震発生時における滞在者等の安全確保に取り組んでいる。
特に、大規模地震発生時の帰宅困難者対策では一時滞在施設の確保とその機能をサポートする仕組みが不可欠である。一時滞在施設の候補には、駅自身および駅周辺の公共施設、その他ではオフィスビル、商業施設、ホテルなどの民間施設、さらに東日本大震災で重要な役割を担った地下街などがある。東日本大震災時、地下街は一時滞在施設では無かったが、地下通路に滞在する帰宅困難者を人道的観点から受け入れた。例えば、某地下街では、最大2,600人を受け入れ、照明や暖房を継続するとともに、夜間には寒さ対策として段ボールを自主的に配布している。その後、市が毛布の配布や医師・保健師による巡回などの支援を行っていた。
そこで、本研究グループは、地下街を含むターミナル駅周辺地区のエリア防災に着目し、災害時にそれらが必要とする機能を支援する仕組みとしてオフサイトセンター緊急事態応急対策拠点施設)に関する研究を実施している。研究では、非常用電源機能確保と災害情報提供機能確保に関するシステム計画を主眼に、表1に示す3項目に分けて進めている。

 

表1 研究項目のカテゴリ

A:エリア内の一時滞在施設や地下街等の現況把握
特定都市再生緊急整備地域のターミナル周辺地区内の一時滞在施設や地下街の立地やそれら施設の建築や設備概要を調査するとともに、GISを用いてエリア防災に関連するデータベースを構築する。
 ① ターミナル周辺地区の都市機能の集積程度の把握
 ② 一時滞在施設及び地下街の建築および設備概要
 ③ データベースの構築
B:バックアップエネルギーシステムの計画
一時滞在施設が最低限必要とする空調、照明・動力等を把握し、それをバックアップするエリアとしてのエネルギーシステムを計画・提案する。
 ① 一時滞在施設及び地下街の非空調時の温熱・空気環境の把握と空調の必要程度の把握
 ② 一時滞在施設及び地下街のBEMSデータの分析によるエネルギー消費構造の把握
 ③ 最低限必要とする設備機能とエネルギー量の把握
 ④ 周辺エリアの地域熱供給システムを活用するバックアップエネルギーシステムの計画
C:バックアップ情報システムの計画
一時滞在者や施設管理者が必要とする災害時情報を把握するとともに、近年増加する情報提供用のデジタルサイネージを活用する情報伝達システムを計画する。
 ① 一時滞在者が必要とする災害時情報の把握
 ② 施設管理者が必要とする災害時情報の把握
 ③ デジタルサイネージを活用するバックアップ情報システムの計画