概要
研究フィールドの特徴で説明したように、研究対象を大きく「都市スケール」と「建物スケール~街(街区・地区)スケール」とに区分して進めています。それぞれ最近の象徴的な言葉を当てはめると以下のようになります。

 ◆ 都市スケール:環境配慮型都市、低炭素都市、グリーンシティ、スマートシティ
 ◆ 建物スケール~街(街区・地区)スケール:ZEB、ZEC、グリーンコミュニティ、スマートコミュニティ

 

A:自治体のグリーンシティづくりを支援する都市のエネルギーマネジメント研究

21世紀に入り、都市が成熟する中で、都市政策では持続可能な環境配慮型都市(グリーンシティ)づくりが重要課題となっています。本研究プロジェクトでは、自治体の政策を支援するためのエネルギーマネジメント手法について研究しています。

①地理情報システム(GIS:Geographic Information System)を活用した都市のエネルギーマネジメントシステムに関する研究
②大都市のターミナル駅周辺地区のエネルギーマネジメントに関する研究
③地方都市の地産地消エネルギーシステムに関する研究
④地理情報システム(GIS)を活用した都市の居住・空間構造の比較研究
⑤地理情報システム(GIS)を活用した都市の太陽光発電ポテンシャルの推計手法に関する研究

 

B:街区・地区(コミュニティ)の共的装置としてのエネルギーシステム研究
地区(街)の重要な共的装置の一つが、平常時の低炭素化と災害時のエネルギー自給に貢献する面的エネルギーシステムである。本研究プロジェクトでは、既存の地区のエネルギーシステムの活用や性能向上、さらには既成市街地で面的エネルギー利用を推進する方法について研究しています。①ターミナル駅周辺地区の既存地域熱供給システムの活用に関する研究

②熱源水ネットワークによる地域熱供給システムの新たな展開に関する研究
③コージェネレーションを活用した地域熱電併給システムの評価に関する研究
④エネルギーシステム計画に用いる建物の熱負荷と電力負荷の実態調査

 
C:建物の熱負荷・電力負荷の実態およびシステムシミュレーションツールの活用研究

建物の省エネルギー化を図る上で、空調に用いる冷水、温水、蒸気などの熱を製造する熱源システムをそれら熱負荷に応じて最適な組合せで運転することが重要である。本研究プロジェクトでは、BEMSデータに基づく熱負荷の実態と、熱源システムの最適運転やリニューアルにおけるシミュレーションツールの活用について研究しています。

①稼働実績パターンに基づく既築建物の熱源システムの最適運転支援手法に関する研究
②震災前後の建物の熱負荷と電力負荷の変化と熱源システム計画に及ぼす影響に関する研究