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志手研究室
2025/09/28
Vietnam workshop 2025 September in HANOI was held
2025年9月18日~27日の10日間、ベトナム ハノイのUniversity of Transport and Communications(UTC)のFaculty of Construction Managementと、芝浦工業大学(SIT)の志手研究室&蟹澤研究室が合同で、International Workshop for Building Engineers(建築生産系国際ワークショップ)を実施しました。このワークショップは第3回目となります。参加学生は、UTCが30名、SITが18名と大人数で行いました。
ワークショップのテーマは、「Building Information Modeling and Common Data Environment for Urban Rail Stations under Concept of Transit Oriented Development」であり、2024年8月に運行を開始したハノイ都市鉄道3号線のカウザイ駅周辺を6つのエリアに分け、公共交通指向型都市開発(Transit Oriented Development:TOD)のコンセプトで施設を計画し、BIMソフトウェアでモデリングするというものでした。交通系が専門のUTCの学生と、建築が専門のSITの学生が6つの混生チームを組成して、各々が異なるエリアを担当し、約4日間のワークタイムで計画からモデリング、プレゼンテーション資料の作成を行います。
ベースとなるのはUTCの学生が事前に作成した、GISデータから起こしたカウザイ地区の3D都市モデルです。そこに各グループが敷地を設定し、ワークシェリング機能を用いて計画した施設をモデリングします(WIP)。BIMマネージャーは、各グループのデータを日々収集し、ビューアソフトで3D都市モデルの上に配置して共有します(Shared)。最終的に完成した統合モデルと各グループのプレゼンテーションを発表しました(Published)。こうした一連の流れでCDE(共通データ環境)のワークフローを体験することになります。
施設の計画では、各グループが多くの議論を重ね、時には衝突し、どのように駅周辺に人を集めることができるかを建物としてかたちづくっていきました。駅からの動線、地上の電車に対する地下のサブ交通システム、住居、オフィス、ホテル、文化施設の配置など、それなりに絶妙な都市空間ができてきました。プレゼンテーションでは動画も交えてハノイの課題を解決しようとする熱のこもった発表が行われました。短期間で素晴らしい成果にたどり着いたと思います。
成果発表会は、大講義室で盛大に行われました。ハノイ都市鉄道管理委員会の副本部長など来賓や主催者の挨拶の後、4名の教員やゲストによる特別講演が行われました。その後、学生6グループによるプレゼンテーションが行われ、教員らの評価により優秀賞に選ばれたグループには副賞と賞状が手渡されました。
その他、バッチャン陶芸博物館、ハノイミュージアム、ベトナム軍事歴史博物館などハノイの近代建築の視察や、国営建設コンサルタントによるBIM事例紹介の講演も行われ、充実したグローバルPBLとなりました。