見学 小柏研究室
2026/04/05
通神社本殿(山梨県甲府市・市指定文化財)見学
文責:藏重直輝(学部4年)
通神社本殿(山梨県甲府市・市指定文化財)
概要
山梨県甲州市勝沼町中原767
建立年:寛文6年(1666) 指定年:昭和61年(1986)
2間社流造 大工:竹内越前守幸次
写真1 全体写真
通神社は中原地区の氏神であり、かつては中尾山の麓に鎮座していたと伝えられる甲州市の古社である。寛文6年(1666年)建立の本殿は市の有形文化財に指定されている。装飾が少ない二間社流造の建造物で、屋根は銅板葺に変更された。細部には手挟や懸魚など、江戸時代初期の建築様式を伝える古い繰型が残されている。保存されている棟札からは、当時の大工が竹内越前守幸次が読み取れる。
所見
通神社の本殿は、全国的にも珍しい正面二間の形式をとっている。社寺建築において正面が偶数間となる構成は、中央に柱が立ってしまい中心軸が明確にならないため一般的には敬遠される。しかし、今回の甲州調査で訪れた金井加里神社など、この地域においては比較的多く見られる独自の特徴である。中央の柱に対して、内部の祭壇や空間がどのように分割・構成されているのか、今回の視察では直接確認できなかったものの、非常に興味深く感じられた。また、前方に屋根が大きく延びる流造において、正面が二間という特有のプロポーションは、見慣れた一間社や三間社とは異なるバランスを生み出しているため、外観の屋根形状に対して独特の甲州の神社建築特有の個性がある。
写真2 二間
参考文献
勝沼町教育委員会 『通神社本殿看板』 閲覧日2026年3月13日