見学 小柏研究室
2024/09/21
久能山東照宮(静岡県静岡市・国宝)見学
文責:新村恵太(修士1年)
概要
久能山東照宮は、徳川家康公をご祭神としておまつりする最初の東照宮である。家康が1616年に死去し、遺骨を久能山に埋葬したのち、2代将軍秀忠公が久能山東照宮を創建した。
久能山東照宮本殿、石の間、拝殿(国宝)
建立:元和3年(1617)
構造形式
拝殿:桁行五間、梁間二間、一重、入母屋造、正面千鳥破風付き、正面三間向拝付き、銅瓦葺
石の間:桁行一間、梁間一間、切妻造、銅瓦葺
本殿:桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、銅瓦葺、千木鰹木付き
拝殿と本殿を石の間でつなぐ権現造であり、現存最古の東照宮建築である。中井大和守正清を大工棟梁として1年7か月の短期間で造営された。
縁周りは赤漆、軸部や軒回りは黒漆、内法長押より上部の小壁や頭貫、蟇股、組物は極彩色、木鼻には獅子の彫刻が施されている。垂木の小口面や軒瓦、破風板などすべてに三つ葉葵の紋を施した金物が付けられており、荘厳な印象を受けた。頭貫の木鼻や蟇股のみにしか彫刻が施されていない点は、建築に彫刻を施した初期の形態を示しており、これよりも後に建てられた日光東照宮などの彫刻が豊富に使われている建築との違いも理解することができた。黒漆の落ち着いた色を基調としながら、対照的なきらびやかな金物や絵画的な彩色を施していることで、彩色がより美しく見えるように感じた。
参考文献
久能山東照宮 https://www.toshogu.or.jp/ (2024.9.21閲覧)
文化遺産オンライン https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/146311 (2024.9.21閲覧)