見学 小柏研究室

2024/08/26

Hagi City Heian Ancient District (Yamaguchi Prefecture Hagi City Important Preservation District for Groups of Historic Buildings)

文責:岩崎佑亮(修士1年)

 

概要

城下町萩は阿武川下流のデルタ地帯に位置する。武士の中でも重臣の多くは三の丸である堀内に居住したが、平安古地区は開墾が進むにつれて多くの武士が屋敷地を構えた場所である。橋本川沿いに位置し、江戸時代からの地割が良く残されており、主屋のほか、長屋門や土蔵などの建築物も保存されており、当時の屋敷構えをうかがうことができる。

 

所見

萩市平安古地区の特徴は、計画的に整備された碁盤の目状の街路と、それに沿った武家屋敷や商家の配置である。街区のサイズや建物の配置は、当時の権力構造や社会的な役割を反映しており、町全体が一つの機能的な都市として設計されていることがわかる。

特に印象的だったのは、白壁土塀やなまこ壁が連なる外観で、これらは江戸時代の防火対策や防犯のための工夫が施されている。また、木造建築の細部にも注目すると、軒先の意匠や格子戸の繊細な造りが、当時の職人技術の高さを物語っている。

 また萩市平安古地区に位置する田中義一別邸も見学できた。田中義一は、陸軍大将でありながら、日本の第26代内閣総理大臣を務めた人物で、この別邸は彼の人生や思想を反映した建築物である。

 

この別邸は、大正から昭和初期の日本の歴史を象徴する建物であり、武家屋敷の伝統を受け継ぎつつも、近代的な要素が取り入れられている点が特徴的である。伝統的な日本建築の中に、西洋建築の影響を感じさせる部分もあり、畳敷きの和室と洋風の応接室が巧妙に組み合わされている。

 

 

参考文献

・文化財オンライン

https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/188486(閲覧日2024.8.24)