見学 小柏研究室
2025/02/23
美馬市脇町南町重要伝統的建造物群保存地区 (徳島県美馬市・重要伝統的建造物群保存地区)
文責:金子 椋 (学部4年)
選定内容
長さ:約430m / 指定地区面積:5.3 ha / 伝統的建造物数:85棟 / 環境物件(石垣や井戸等):65件 / 修景物件(母屋、塀等):94件
概要
徳島県美馬市に位置する伝統的建造物群保存地区では、脇城の城下町として成立し、藍の集落地として栄えたとされる。建物特徴として、道沿いには本革葺きの漆喰塗で大壁づくり、防火のためのうだつや虫籠窓を持つ大規模な商家が立ち並んでいる。棟札が見つかっている最古の建物で、宝永4年(1707)年に建設されたものが見つかっている。昭和や平成に建てられたものでも、景観を損なわせないために、漆喰の壁を用いた使用にするなど工夫が見られ、また、地面に電線を埋めるなどして電柱による景観破壊を防ぐような工夫がされている。
所見
美馬市の伝統的建造物は、豪商の家屋が立ち並んでおり、大壁構造の分厚い壁や立派なうだつを見ているだけで豪商であるわかる。部厚い壁や軒裏の漆喰仕上げなども部厚い印象であり、細部を見てみると土壁が比較的多くの割合を占め、最後の仕上げとして漆喰を塗っている。漆喰がきれいに塗られている分、非常に分厚い漆喰を塗っているかのように見える。また今回、市指定の有形文化財である寛政4年(1792)に藍商として創業を開始した吉田家の住宅に訪れた。約600坪の敷地を持ち、広い座敷や中庭、二階があり、奥には三つ連なった漆喰の蔵が見られた(現在は展示場として利用)。吉田家は脇町を代表する商家であり、その規模に見合った建築が見られた。
参考文献
・文化財オンライン「美馬市脇町南町(商家町 徳島)」https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/24307(閲覧日:2025/02/22)
・美馬市「美馬市脇町南町重要伝統的建造物群保存地区」https://www.city.mima.lg.jp/kanko/map/list/4048.html(閲覧日:2025/02/22)
・美馬市「吉田家住宅」https://www.city.mima.lg.jp/kanko/map/list/11507.html(閲覧日:2025/02/22)