見学 小柏研究室

2026/04/05

Suzumenomiya Shrine (cultural property designated by Koshu City, Yamanashi Prefecture)

文責:藏重直輝(学部4年)

 

概要

本殿建立年:文化7年(1810)1965年に現在地に移築、指定年:昭和61年(1986)

大工:下山大工の佐野喜内歌虎

 

 

雀宮神社は、古くは「橋立明神」と呼ばれた古社である。創建の詳細は不明だが、社伝によれば推古天皇10年(610年)に天橋立から祭神を勧請したのが始まりとされている。当初は現在地より500メートルほど北西に位置しており、室町時代から江戸時代にかけて武田氏や徳川氏の厚い崇敬を集めた。しかし、慶応2年(1866年)の暴風によって本殿以外の社殿が倒壊し、明治維新の政変も重なって長く再建が見送られてきた。その後、昭和40年(1965年)になって現在の地へ遷座され、境内や拝殿などの各施設は戦後に新たに整備されている。一方で、奇跡的に倒壊を免れた本殿は江戸時代後期の建築であり、旧地からそのまま移築された。

 

 

所見

雀宮神社は、方2間、入母屋造、平入である。甲州調査において、通神社などで全国的に珍しい2間社の神社が多く見られた。通神社は、正面のみ2間であったが、雀宮神社は、方が2間であり、地域的には、全国的に珍しい2間社が見られるが、その形式は、一様ではなく、方2間や正面2間などの違いが見られた。

所見雀宮神社の本殿は、方二間、入母屋造、平入の形式をとっている。今回の甲州調査では、通神社をはじめ、全国の神社建築としては非常に珍しい「二間」の柱間を持つ社殿が数多く見受けられた。しかし興味深いことに、それらは決して一様な形式ではない。通神社の本殿が「正面のみ二間(正面二間・側面一間)」であったのに対し、この雀宮神社は平面が正方形となる「方二間」の構成をとっている。全国的に特異な「偶数間」という構造が同じ地域内で共通して見出される一方で、その具体的な平面形式や屋根の納まりには明確な差異と多様性が存在していることが分かる。

 

 

 

 

 

参考文献

『雀宮神社の由来 看板』閲覧日2026年3月13日