見学 小柏研究室

2026/04/05

清白寺仏殿(山梨県山梨市・国宝)見学

文責:藏重直輝(学部4年)

 

概要

山梨県山梨市三ヶ所620番地

国宝 昭和30年(1955)

建立年代: 応永22年(1415)

規模・構造: 桁行3間、梁間3間、一重裳階付き

 

建築的特徴: 禅宗仏殿としてはかなり古いものであり、この形式を持つものの中で最小規模。内部には文様彩色と丁寧な漆塗りが施されている。

 

修復・改修歴: 天和2年(1682)の寺院火災を免れた。大正7年(1918)に解体修理を実施。昭和23年(1948)に一時屋根を檜皮葺から瓦葺にしたが、昭和30年(1955)に檜皮葺に戻した。

 

写真1 本堂外観写真

 

 

清白寺は、寺蔵の記録によれば正慶2年(1333年)に創立されたと伝わる臨済宗の古刹である。開基には後に室町幕府初代将軍となる武将・足利尊氏、開山には彼が深く師と仰いだ名僧・夢窓疎石が名を連ねている。

天和2年(1682年)の大火で堂宇の多くを焼失したが、奇跡的に焼け残った仏殿を中心に、長年かけて再建が進められた。享保16年(1731年)の総門完成をもって、総門、放生池、鐘楼門、仏殿、本堂が一直線に並ぶ禅宗特有の伽藍配置が復興された。

境内には梅が多く植えられ、優れた造園家でもあった疎石が中国の西湖から持ち帰り植えたと伝わる「西湖梅」の古木がある。

 

 

所見

外観には、粽、台輪、花頭窓、上層の扇垂木、詰組など、典型的な禅宗様の特徴が見られる。しかし軒の反りに関しては、内部空間における虹梁の高低差があまり設けられていない影響からか、比較的緩やかに感じられた。

 

写真2 外部写真

 

 

仏殿内部の平面構成においては、来迎柱が後方に後退して配置されているため、須弥壇前に大きく開けた空間が確保されている。また、外部の裳階部分と内部空間虹梁で繋がれているが、ここでも高さの差がほとんど生じない架構となっている。

今回の調査で訪れた、同じく一重裳階付仏堂である東光寺と比較すると構造上の明確な違いが見られる。東光寺が裳階側の柱を2本の貫で繋いでいるのに対し、清白寺は太い梁で繋いでいる。そのため、清白寺の方が荷重の伝達経路がより明快であり、構造的な堅牢性が強く感じられた。

 

写真3 内部写真

 

写真4 内部写真

 

 

 

参考文献

重要文化財地蔵院本堂・鐘楼保存修理工事報告書 閲覧日2026年3月13日 

文化庁『文化遺産オンライン 清白寺仏殿』 閲覧日2026年3月13日

https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/155405