見学 小柏研究室

2026/04/05

Visit Shosen-ji Temple (cultural property designated by Koshu City, Yamanashi Prefecture)

文責:藏重直輝(学部4年)

 

松泉寺(山梨県甲州市・市指定文化財)

 

概要

山梨県甲州市塩山下粟生野1459

臨済宗向嶽寺派

本堂は平成17年に新築

庫裡天明6年以降の近い年代 指定年:平成8年(1996)

正面5間、側面10間、切妻屋根、妻入、鉄板葺もとは茅葺だった

 

写真1 庫裡

 

 

東光山松泉寺は延命地蔵を本尊とする臨済宗の寺院であり、前身は密教の「地蔵院」と称していたと伝わる。明徳年間に下於曾にあった松泉庵が現在地に移り、華林恵昌禅師によって創建された。現在の本堂は、平成17年(2005年)に檀信徒の尽力により新築された真新しい建造物である。一方で、平成8年(1996年)に市の有形文化財に指定された庫裏は、江戸時代後期の歴史的建造物である。寺の『由緒書』には、天明年間に本山・向嶽寺が火災に遭った際、見舞いとして当時の庫裏を献納したと記されている。向嶽寺の大火が天明6年(1786年)であることから、現在の松泉寺の庫裏はその直後に再建されたものと考えられる。以降、屋根や内部の補修を重ねながらも当時の架構を維持している。

 

 

所見

現在の屋根は、本来の茅葺きの上から鉄板で覆う手法がとられている。これは古建築の部材を雨風から守りつつ維持管理を行う処置である。外部から見える小屋組に目を向けると、梁などの横架材と束などの縦材とで、木材の変色に明らかな違いが確認できた。この古色の差異は、施工された時代の違い示し、幾度かの補修や材の取り替え、あるいは古材の転用が行われてきたことを示す。さらに、虹梁などに施された絵様を見ると、天明年間のものというよりは、少し新しい年代の特徴が表れているように感じる。

 

写真2 虹梁

 

 

 

参考文献

宗教法人 松泉寺 『臨済宗向嶽寺派 松泉寺』閲覧日2026年3月13日

https://shousen-ji.com/