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見学 小柏研究室

2026/02/08

Visit the Sawanotsuru Museum (Kobe City, Hyogo Prefecture; Hyogo Prefecture Important Tangible Folk Cultural Property)

文責:藏重直輝(学部4年)

 

沢の鶴資料館概要

建設:江戸末期

構造形式:木造

所在:兵庫県神戸市灘区大石南町1丁目29-1

 

沢の鶴資料館は、江戸末期に建設された酒蔵を活用した施設であり、現在は酒造りの道具や工程を展示する資料館(日本酒ショップ併設)として公開されている。なお、昭和55年には兵庫県の重要有形民俗文化財に指定された。

 

写真1 沢の鶴資料館全体写真

 

1995年の阪神・淡路大震災では全壊の被害を受けたが、その後、画期的な「木造免震システム」を導入して再建された。このシステムは、以下の3つの仕組みによって構成されている。

 

l   鉄骨フレームと鉄筋ブレースによる木造補強

l   コンクリート製の堅牢な人工地盤による床組工法

l   フェイルセーフ機構「ソフトランディング」の採用

 

これらにより、震度7以上の地震が発生しても、建物への入力地震動を約3分の1以下に低減可能としている。 施設内部は、間仕切りのない大空間が確保されており、震災後の発掘調査で見つかった地下遺構「槽場(ふなば)」の跡も保存・展示されている。

 

写真2 木造免震システムの写真

 

 

所見

阪神・淡路大震災後の再建において、本建物には木造免震システムが導入されている。柱と桁の接合部付近や柱の高い位置での、通常は応力が集中するため回避される位置での根継ぎ(高根継)が確認された。本来であれば構造的な弱点となり得るこうした修復箇所が存在することは、逆に言えば、免震システムの導入によって建物への地震動が大幅に低減されているからこそ許容されたと考えられる。歴史的部材を最大限残すための継手を、現代技術である免震の強さが補完しているという、新旧技術の共存関係を強く感じ取ることができた。

 

写真3 高根継

 

写真4 継手

 

 

 

参考文献

「昔の酒蔵 沢の鶴資料館」パンフレット

沢の鶴 「沢の鶴資料館 ホームページ」 閲覧日2026年2月5日

     https://www.sawanotsuru.co.jp/site/company/siryokan/