見学 小柏研究室
2024/05/19
旧太田脇本陣林家住宅(岐阜県美濃加茂市太田町・重要文化財)見学
文責:岩崎佑亮(修士1年)
建立:主屋/居室部:1769(明和6年) 座敷部:1773(安永2年)
隠居屋/文政12年(1829)
構造形式:居室部/ 桁行14.3m、梁間17.9m、切妻造、板葺形銅板葺
座敷部/ 桁行5.6m、梁間9.4m、西端切妻造、板葺形銅板葺
隠居屋/ 桁行11.1m、梁間8.0m、切妻造、桟瓦葺、背面渡廊下附属
旧中山道の脇本陣で、主屋には脇本陣座敷が付設されている。背部には倉庫が残り、旧屋敷構えがよくわかる。主屋は両妻に卯建をあげる切妻造二階建ての大型住居で、脇本陣として年代も古く貴重な遺構である。表門は文久元年(1861年)に再築されている。
今回見学できた隠居屋は、平成14~16年(2002~2004年)に一部解体や修理・修復が行われたが、一部の構造体や床柱などは当時の部材が見られた。隠居屋は一列三室型の町家形式であるが、室内の数寄屋風の造作に隠居屋らしい趣が感じられた。広大な小屋組空間からは伝統的な木造の手法が確認でき、母屋と同様の両妻の高い卯建は、防火壁致死手の役割を果たすとともに林家住宅の脇本陣としての権威を表している。
参考文献(新規ウィンドウが開きます)
文化遺産データベースhttps://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/196340(2024.5.07閲覧)