見学 小柏研究室
2024/08/26
古熊神社(山口県山口市・国指定重要文化財)見学
文責:金子 椋 (学部四年)
概要:
山口県山口市に位置している古熊神社は、応安六年(1373)大内弘世が京都北野神社より、勧請し、山口天神宮と称したことより始まったとされている。拝殿は楼門に翼廊をつけた楼拝造りの拝殿である。拝殿の建立年代は定かではないが、江戸初期と考えられており、山口地方だけに多く残る同形式の拝殿中でも今八幡宮とともに貴重なものであることが認められ、昭和二十四年(1949)国宝に指定された。現在は文化財保護法の制定により重要文化財に改称されている。
所見:
古熊神社正面入り口の階段を上ると、日本では珍しい楼門と拝殿が同じ場所で機能を果たしている楼拝造りの形式を持つ拝殿が見られ、桁行一間および梁間一間の拝殿部分、とそこから両サイド桁行一間、梁間二間伸びる翼廊が確認された。屋根形式としては、上層部分において入母屋の形式をとり、下層部分においては切妻の形式をとっている。また、屋根葺材としては、上層下層とも銅板葺きであった。
そこから奥に進むと、古熊神社本殿が現れてくる。正面からは入れなかったものの、周辺の通路より目視することができ、桁行三間、梁間二間、屋根形式としては入母屋造の檜皮葺であった。また、周辺を散策すると、石造の鳥居や橋、灯篭、池なども見られた。帰り際に、入ってきた鳥居を見ると、道路が軸のように抜けていて眺望が都市的な計画をされているのかと思った。
参考文献
・古熊神社「重要文化財 古熊神社拝殿保存修理工事報告書」、昭和五十六年九月
・文化庁「文化遺産オンライン」(閲覧:2024/08/25)