小柏研究室

2021/08/20

絵図の実地調査

2021年から新たな助成研究として、個人所有の大工文書の調査をしています。

まだまだ史料群の全体像が明らかとなっていない史料ですので、本年度はアーカイブ化を目的に研究を進めています。

左の写真は、史料調査の様子です。ipadで文書史料の「所見」を記入していきます。

絵図類は、紙に墨線で描かれた、いわゆる指図(建築図面)が多くありますが、中には史料の年代が不明な、着色された絵図もあります。

今回は、蛍光X線分析機器等を使用し、使用されている顔料の調査を行うことで、史料の年代検討や、建築指図としての価値を明らかにしていきます。

この研究では、建築の調査ではあまり使用することのない分析機器を多用しており、分野横断型の研究として注目しています。

建築の研究者だけでなく、絵画史の研究者にも調査に同行いただくことで、幅広い視点から研究を遂行していきます。

左の画像は、紙面にギリギリくっつかない所に蛍光X線分析機器を置き、使用されている顔料の元素を特定することで、どのような材料・技法が使用されていたのか調査しています。