見学 小柏研究室
2024/06/10
Visit the Ishitani Family Residence (Chizu-cho, Yazu-gun, Tottori Prefecture; National Important Cultural Property; Prefecture/National Registered Place of Scenic Beauty)
文責:新村恵太(修士1年)
概要
地主、山林経営をしてきた石谷家の智頭の自邸で、大正8年から10年かけて新築した。3000坪の大規模な敷地に、主屋、座敷棟、家族棟と7棟の土蔵、400坪の庭園で構成される。
主屋
建立:昭和3年(1928)
構造形式:桁行23.2m、梁間13.8m、二階建て、入母屋造、桟瓦葺、四周下屋付き
西側に土間、土間に接続する10畳の囲炉裏の間と10畳の座敷が二つ並び、12畳半の居間、主人の間、食堂、納戸の四室が田の字型に配置された、六間取りの構成で、農家型住宅のような印象を受けた。土間境に大黒柱を設け、土間と土間に面する二つの座敷は、天井を張らずに小屋組を見ることができた。部材断面の大きな松材を用いた五段の和小屋で、高い屋根を作り、開放的な空間を形成していた。主屋に張り出すように式台と八畳の応接間が設けられ、八畳の応接間は床と平書院を設け、床の間には床柱を設けない珍しい意匠だった。
座敷棟
L字型の平面で江戸座敷と新建座敷の2つを有する。
江戸座敷は主屋の建立時から残る八畳の座敷で、庭園に対面する位置にトコと棚、平書院を設けた座敷である。面皮付きの柱や長押などを用いた数寄屋風であり、平書院には猪目の障子を設け、特徴的な意匠が見られた。また新建座敷は昭和17年(1932)に改装された八畳の座敷で、床と棚、付書院を設ける。二つの座敷は庭園に面するように配置され、新建座敷からは池泉を中心に集団石組を、また江戸座敷からは、奥から滝組や入江、池泉が連続的に立ち並び、庭園の広がりを感じる眺望であった。
参考文献
石谷家住宅HP https://www.ifs.or.jp/ 2024/5/29閲覧
文化遺産オンライン https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/140667 2024/5/29閲覧