見学 小柏研究室
2025/02/23
Kazura Bridge in Iya (Tokushima Prefecture, Iya Region/National Important Tangible Folk Cultural Property)
文責:金子 椋(学部4年)
構造形式:シラクチカズラ(重さ6トン)、長さ45m・幅2m・水面上14m
概要
徳島県祖谷地方の秘境に位置し、シラクチカズラという材種を用いて編み連ねて作られた橋である。安全のために3年に一度の架け替え作業がある。使用用途としては、昔、深谷渓谷(祖谷渓谷)地帯の唯一の交通施設である。徳島の祖谷地方には、屋島の合戦に敗れ逃れた平国盛と安徳帝の一行が、平家再興を願い土着したと伝わる隠田集落であり、近代まで外部との交通が隔絶されていたために、中世以来の生活様式や独特の風俗が原形に近い状態で残されている。両岸の古木にて橋の荷重を支え、橋に美しい曲線を描かせている。川辺には、「阿波青石」と呼ばれる緑泥片岩が多くあり、川が青みがかって美しい。この青石は、同じく徳島県徳島市に位置する史跡名勝の庭園を持つ阿波國分寺や徳島県美馬市に位置する吉野川を借景とする本楽寺で使われている。
所見
祖谷地方の奥に所在するかずら橋は、冬であったことに加え、かなり山の奥地まで行く必要があるため観光客は少なかった。水面14mという高さに架けられており、シラクチカズラで組まれた橋の足床の15~20cmほど隙間から谷底が見える。構造がツタであり、全長も45mと長く、歩いて渡るとかなり揺れるのである。川辺には阿波青石が青く美しかった。一分ほどある遊歩道を歩くと、落差約40mの琵琶の滝があり、なかなかの迫力であった。
参考文献
・大歩危祖谷ナビ「祖谷のかずら橋」三好市観光サイト
https://miyoshi-tourism.jp/spot/46/(閲覧日:2025/02/22)
・徳島県ホームページ「徳島の青石について教えてほしい。」
https://www.pref.tokushima.lg.jp/FAQ/docs/00029049/(閲覧日:2025/02/22)